治験Q&A
Q: 治験と聞くととても危険というイメージがあるのですが、安全性はどうなのでしょうか?
A: 治験を実施する際は、リスクを最小化するために、厳しい法律と公的機関及び製薬会社の監視と指導の下で行われています。
Q: 誰でも治験に参加できますか。
A: その治験で基本的な募集基準をクリアしていることが、参加の初期条件となります。そのうえで、弊社で診察や検査を受けていただき、患者さんの安全の確保と、治験の目的に合致していることの最終的な確認をおこなったうえで、参加が決定されます。
Q: 謝礼金の金額が高いのは、危険だからではないのですか?
A: 謝礼金は治験の危険度に対する報酬ではなく、治験参加時間と交通費としてのみ支払われます。例えば、2週間の治験に対する謝礼金は1日のみの治験と比べると多くなります。
Q: 日本向け治験には、どんな意義があるのでしょうか?
A: 新しいお薬が日本に紹介されることにつながる可能性を秘めています。創薬ボランティアの皆様のご参加により、日本人の必要なデータを採取することができます。皆様のご協力によりお薬の承認プロセスが早まり、新しいお薬がより早く日本の市場に届きます。
Q: なぜ日本人の創薬ボランティアを募るのですか?
A: 現在、日本では、欧米で許可され市場で販売されているお薬の約40%しか使われていないといわれています。なぜ、日本での治験が遅れているかというと、治験に対する理解の不足、日本と欧米の文化や制度の違い、国民性によるところが大きいようです。例えば、欧米においては、よりよい薬を後世に残すためならば、「私の病気を活用してください」といったボランティア精神が強いのですが、日本においては、「誰かに使って良く効くか、副作用がないかを確かめてから使う」という保守的な風潮があります。
アメリカで販売されているお薬も、日本では販売されていないというのが現状です。こうしたお薬を日本でも使えるようにするために、日本人の創薬ボランティアの方々に協力していただき、研究データを収集させていただいております。
Q: 治験に参加するとどんなメリットがありますか?
A: 治験にご参加いただくことで得られるメリットはいろいろありますが、代表的なもとして、経験豊富な担当医師による丁寧な診察がうけられ、一般の診療よりも詳しい検査が行われます。
のちに治験薬が国から認められたときに、同じ病気で悩む多くの患者さんたちの治療に役立ち、次世代によい薬を残すという社会貢献ができます。
Q: 個人情報が外部に漏れることはありませんか?
A: 治験に参加される方のプライバシーや人権はHIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)により、極めて厳重に守らなければならないことが決められており、個人情報は厳重に守られます。
Q: 宿泊施設滞在中に、自由時間はあるのでしょうか?
A: 通常は皆さんが想像される以上に、多くの自由時間があります。研究関連の検査がない場合、滞在時間の大部分は自由に過ごしていただく時間となります。自分の勉強、オンラインでの仕事、テレビゲーム、映画鑑賞、趣味、あるいは他の参加者たちとの談笑など、様々にリラックスしていただけます。
Q: 副作用の心配はありませんか?
A: 治験では、副作用の可能性をできるだけ少なくするとともに、それが起きても早期発見できるよう配慮されています。 具体的には、一般の治療よりも詳しい検査で身体の状態を調べ、治験中は医師が患者さんを注意深く観察しています。もしも治験中に副作用などが現れた場
合には適切な治療が行われます。
Q: 製薬会社は、どのような役割をしているのですか?
A: 製薬会社ではまず、治験実施の計画をまとめます。また、治験をおこなう病院を選び、治験に使うくすりや、そのデータの提供もおこないます。さらに治験が始まると、計画どおり適正に進行しているかどうかをモニタリングし、治験で得られたデータを収集します。治験が終われば、収集したデータを詳しく分析し、テストした新薬の有効性(効き目)と安全性 の評価を行います。
Q: 治験を行うにあたっての担当者は誰ですか?
A: それぞれの治験に責任医師が決められ、治験を担当する医師、治験コーディネーター、その他のスタッフが、参加するボランティアのケアにあたります。
Q: 詳しい説明は、いつ誰がしてくれるのですか?
A: 健康診断の際に、担当医師が患者さんに対して直接おこないます。その際、誤解が生じないように文書を用いて説明をおこない、治験の主旨を十分に理解したうえで同意していただくことが必要とされます。これをインフォームド・コンセントといいます。
Q: 治験でテストされる新薬は、どういうものですか?
A: 治験でテストされる新薬は、製薬会社が長期間にわたり基礎的なテストをくりかえし、有効性と安全性の両面で一定の評価を得たものです。この新薬は、新しい効き目や用途ならびに従来のくすりからの改良などが期待される半面、新しい副作用の可能性なども考慮し、患者さんの安全性を重視しつつ使用されます。
Q: 治験終了後、集められたデータはどのように生かされますか?
A: 治験で良好な結果が得られると、製薬会社はそれまで蓄積した数多くのテスト結果(データ)とともにまとめます。全体の結果が良好であると判断されれば、厚生労働省にくすりとしての使用を承認してもらうための申請をおこないます。厚生労働省の関連機関では、その申請資料についての評価とともに、治験が適正に実施されたかどうかの治験後の審査がおこなわれます。さらに厚生労働省や薬事・食品衛生審議会による最終的な審査を受け、その結果、治験の妥当性、くすりの有効性、安全性、品質が認められると、新薬としての承認を受けることができます。
Q: BMI(Body Mass Index)とはなんですか?
A: BMIは体重(体格)指数のことで、体重÷身長÷身長で算出される体重(体格)の指標です。疫学的調査から病気になる確率がもっとも低い値として22が導かれ、これを「標準」とし、18.5以下なら「痩せ」、25以上なら「肥満」としています。一般に、25を超えると高脂血症、高血圧、糖尿病等の生活習慣病にかかりやすくなると言われています。