治験・健康ブログ|アルタサイエンス LA
ワクチンの安全性
ワクチンは危険な感染症からわたしたちを守ってくれます。一方で、ワクチン接種後は腫れたり、痛みが出るなど不快な症状が現われる事もあります。この症状は問題ないのでしょうか。また、ワクチンの安全性はどのように評価されているのでしょうか。
ワクチン接種の副反応
ワクチンを打つと、接種した部位が腫れたり、熱を持ったりすることがあります。これは、ワクチンによって私たちの体が免疫を獲得する過程で起こる反応です。「メインの目的=免疫獲得」に伴う反応なので副反応と呼ばれ、最大で60%の方に起こります。たいていの副反応は1~3日で自然におさまり、治療などは必要ありません。
余談になりますが、一般的に薬剤の場合は、投与した化学物質による期待される作用以外の作用を意味する「副作用」という用語を用いますが、ワクチンについては私たちの身体(生体)の反応を促すものであることから、「副反応」という用語が用いられています。
ごくまれ(10万回の接種で1回くらい)に、接種してから1時間以内に強いアレルギー反応(アナフィラキシー)やけいれんが起きる方もいます。この場合はすぐに適切な処置が必要です。持病やアレルギーがある方は、事前に主治医と相談しましょう。
治験で安全性が確認されているワクチン
ワクチンも薬と同じように、臨床試験や治験で安全性が確認されています。副反応による軽度のデメリットより、接種による病気予防のメリットが上回ると判断されたワクチンが承認されています。私たちが接種できるワクチンは、厳しい試験をクリアしたワクチンのみなのです。
承認後も続く安全性モニタリング
安全性が厳しくチェックされるのは、臨床試験の間だけではありません。無事に試験をパスして承認を受けた後も、米国医薬食品局 (FDA) や米国疾病予防管理センター (CDC) による厳重な監視が続いています。臨床試験では発見できなかった副反応が現われる可能性などがあるためです。
アメリカでは副反応と思われる症状が起きたら、ワクチン有害事象報告システム (Vaccine Adverse Event Reporting System ; VAERS) へ報告され、内容が分析されます。年間3万件の報告があり、その85~90%は発熱などの軽い副反応です。また、VAERSのデータは誰でもオンラインでアクセスすることが可能です。
まとめ
ワクチンは厳密な安全性評価のもと開発・製造され、承認後も国による副反応監視システムが整備されています。ほとんどの副反応は軽いもので心配はありませんが、体質や持病で不安のある方は、接種前に主治医とよく相談しましょう。
参考HP
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_04hukuhannou.yuugaijisyou.pdf
https://wonder.cdc.gov/vaers.html
https://www.vaccines.gov/diseaseshttps://www.vaccines.gov/basics/safety/side_effects
https://www.vaccines.gov/diseases
https://www.cdc.gov/vaccines/parents/infographics/journey-of-child-vaccine.html
https://www.cdc.gov/vaccinesafety/ensuringsafety/monitoring/vaers/index.html#reportsubmit
http://www.jspid.jp/journal/full/02504/025040481.pdf
http://www.wakutin.or.jp/index.html